2009年8月5日(水)に(株)アサヒグラフィックス様(愛知県名古屋市守山区大字下志段味字池田810番地)のKOMORIリスロンS40P内覧会が開催されました。
※今回の内覧会は、LITHRONE S40Pの他、小森の高付加価値印刷の設備をご検討いただいているお客様をはじめ、反転機による両面UV印刷にご興味を持っていらっしゃるお客様を対象にご案内させていただきました。
内覧会当日は天候にも恵まれ暑い中、午前・午後の部を合わせ、愛知県内や近隣県をはじめ遠方は熊本県より総勢91名のお客様にご参加いただき、大盛況の会となりました。
名古屋市中区金山町の(財)名古屋都市センター14階の特別会議室において、午前の部は9時40分より、午後の部は1時30分よりセミナーを行いました。
セミナーの司会進行役は、弊社名古屋支店 営業課長の三浦がつとめました。


最初に弊社国内営業本部長の小森より、開会挨拶ならびに市場動向説明をさせていただき、続いて(株)アサヒグラフィックス様のリスロンS40P導入後の展開について簡単な説明をさせていただきました。以下に概要を記載させていただきます。

『(株)アサヒグラフィックス様は、昨年の12月に菊全判反転機構付8色オフセット枚葉印刷機に両面UV乾燥装置、コーティング装置を搭載した「リスロンS40P」をご導入され、両面4色+コーティングや多色ストレート印刷+擬似エンボスなどの高付加価値印刷をワンパスで行い、高品質・短納期・高付加価値を武器に数多くのお仕事を受注され、結果を出されております。また、今回UV印刷機を初めて導入されたことで、パウダーレス化、品質管理体制の強化も図られ、トータルな効果を発揮されております。本日はセミナー終了後、場所を移動し、菊全8色機の実演の様子をご覧いただきます。いずれにしても真価の問われている今年ではないかと思います。今回の世界同時不況による危機的な状況は、景気の循環によるものではなく、大きな時代の転換点であるかと思います。今こそが、次への飛躍に備え、原点に立ち返って革新・改善を進めて行くべき時期であり、短期的に勝負することと、長期的に勝負することを両輪として同時に取り組んで行くことが、最も重要であると思います。』
続いて、(株)アサヒグラフィックス 取締役社長 田代徹也様より、会社概要をはじめ、この度リスロンS40Pをご導入されるに至った経緯などにつきましてご講演いいただきました。また、ご参加された皆様より事前にいただきました質問の中の6項目についても、お答えをいただきました。

<工場拠点>
全部で3工場あり、それぞれの役割に合わせた工場配置となっております。
・本社工場:愛知県名古屋市守山区大字下志段味字池田810番地
・瑞浪オフ輪第一工場:岐阜県瑞浪市釜戸町681-1
・瑞浪オフ輪第二工場:岐阜県瑞浪市山田町227-4
田代社長様よりご説明いただきました会社概要および設備概要につきましては、(株)アサヒグラフィックス様の下記ホームページアドレスよりご覧いただけます。
http://asahi-co.com/
<リスロンS40【LS-840Pコーター+UV装置】導入経緯>
『昨年12月に当機を導入し、今年の1月から本稼動をスタートさせていただいております。
油性印刷をずっと手掛けてきた中で、この度初めてUV印刷機を導入したということで、導入当初は非常に戸惑いもありましたが、7ヶ月ほど経過した中でいろいろな失敗もしながらも、技術的にも相当レベルも上がってきましたので、今回内覧会を開催させていただくことになりました。導入した経緯といたしましては、事業領域の拡大の一言に尽きます。油性インキを使わずスプレー粉も必要としない、パンフレットやカタログで思わず手で触りたくなるような高品質な印刷物の制作を手掛けたい、という思いの中で導入を決定いたしました。また、将来的にパッケージの分野まで拡販していきたいという強い思いもあり、導入に至りました。裏4色、表4色をワンパスで一度に印刷可能なそのスピード(15,000sph)が、従来の印刷機の中ではずば抜けて高性能な印刷機であり、UVならではの印刷物に限らず、非常に乾きの悪い合成紙のユポ紙やマット紙をこの機械で印刷しております。その理由は、岐阜の瑞浪工場でオフ輪転機を稼動させていただいておりますが、頁物になってきますと、表紙の刷り上りの時間などは、工程毎に細かな時間が組合わさって来るため、なるべく早く刷り上げる必要があり、加工までの待ち時間を短縮していかなくてはならない中で、UV機を活用させていただいております。また、紙厚への幅広い対応ということでは、0.06mmの薄紙から0.6mmという非常に厚い紙まで印刷できます。また、小森コーポレーションさんとの長いお付き合いの中で培った信頼の中で、この機械なら間違いないということで決定させていただきました。』
<ご参加された皆様よりいただいた質問の中の6項目についてのご回答>
Q1: 小森のLS-840Pを導入されて率直な感想はいかがでしょうか?
A1: すばらしい印刷機ということに尽きます。準備時間の早さ、稼動スピードの速さ、印刷品質の高 さについては、従来の印刷機に比べて非常に優れています。
Q2: 両面印刷機でありUV印刷機ということで納期面での対応は変化しましたか?
A2: 合成紙のユポやマット紙のような乾きの悪いものについては、どうしても半日おかなくてはなりま せんでしたが、この機械では待ち時間が殆どゼロで、そのまま加工へ移すことが出来るので、お客様に対して約半日〜1日納期を短縮させていただいております。
Q3: UV印刷機ということで、ニスコーティングや特殊原反などの付加価値対応の進捗具合はいかかでしょうか?
A3: 社内的にいろいろなトラブルを予測した中で、こうしたら上手く行くという自社独自の回避方法であるとか、社内技術に関しては非常に順調に進んでおります。問題は、仕事量確保です。UV機で加工させていただいておりますが、実際にUV機でなければ加工できないという仕事量は、全体の2割位です。その他は、油性でも印刷できる印刷物となっております。ただし、労働時間の短縮、検品作業がなくなったこと、またオペレーターのストレスも大幅に軽減されておりますので、全社最適化という観点から見れば、十分に採算が取れているのではないかと思っております。
Q4: 何でも出来る機械ですが、客先へは何を主に売りにしているのでしょうか?
A4: UV印刷ならではのハジキメジウムと光沢感のあるUVニスを使った擬似エンボスの視覚効果を売りにさせてもらっております。
Q5: UVインキで採算はとれるのでしょうか?
A5: 印刷資材やUVランプにかかる電気代等のランニングコストについては、はっきり言って採算は取れません。但し、製造側社員の労働時間の短縮や、それに伴う人件費の削減があるので採算が取れています。また、後加工までの待ち時間がゼロになったことによる無駄な工程時間の削減、印刷品質向上による検品時間の削減など、全社最適化という観点から見れば、採算は取れていると思います。
Q6: UV機で生産されている仕事の内容と稼働率をお聞かせください。
A6: 今年1月に本稼動が始まったばかりで、我々はまだ滑走している段階ですから、皆様にご報告できるレベルまでには達しておりません。仕事の内容は、殆ど油性で印刷できるものであるとお考えいただければと思います。
『以上、導入経緯ならびにQ&Aについてお話しさせていただきましたが、最後までお聞きいただき感謝しております。この後は是非、本社工場へ移動していただき、思う存分にUV機をご覧いただき、皆様方の今後の社業の発展につながることを期待させていただき、私のご挨拶にかえさせていただきたいと思います。』


田代社長様にご講演いただいた後、弊社営業技術の津島よりリスロンS40P製品説明ならびにUV印刷について説明を行いました。津島による説明内容は次の通りです。
<開発コンセプト>
・品質を片面機同等に近づける
・厚紙への適正を高める
・コスレが発生しづらい機構を保有
・準備時間を短縮するメカニズムを保有
(使う人の感動、クライアントの感動)
<UV専用反転機の優位性>
・パウダーレス
・デリバリーでの紙搬送の安定
・インキ盛り量の多い印刷物ができる
・コーティングによる付加価値の増大
・特殊紙への対応力アップ
・後刷り圧胴反転ジャケット不要
<まとめ>
・3本倍胴反転が印刷機の高速安定性を実現
・KHS-AI搭載による段取替えの素早い立ち上がり
・Full-APCで刷版交換精度アップと一発見当の達成
その後で休憩を挟み、チャーターバスにて(株)アサヒグラフィックス様の本社工場へ移動しました。
午前・午後の部ともに、本社工場に到着後、参加者はAとBの2班に分かれていただきました。Aグループは2階にて実機見学後、3階の別会場にてQ&Aにご参加いただきました。BグループはQ&Aにご参加いただいた後、実機を見学いただきました。
実機実演の機械操作は、(株)アサヒグラフィックス様の福元機長様、解説は弊社営業技術課長の中村により行われました。


今回ご覧いただく印刷機が反転機であり、他の印刷機とのレイアウトの都合上、操作側が壁側に駆動側が通路側に設置されておりました。そのため、直接実演をご覧いただくことが出来ず、実演もいつもと勝手が違い、ユニット構成および実演の状況を大型プラズマモニターでご説明させていただきました。その後で機械のステップに乗っていただき、機械を直接ご覧いただきました。


実演に使用した印刷サンプルは、(株)アサヒグラフィックス様が過去に実際のお仕事で印刷されたBIKE GUIDE 11月号の表紙と、弊社にて手配させていただいた車の冊子の両面4色絵柄を2種類使用しました。Full-APCによる切り替え時間の短縮、KHS-AIによる損紙削減と立上げ時間短縮、両面UV乾燥とインラインコーティングによる高品質印刷をご覧いただきました。(株)アサヒグラフィックス様では、カラーバーを表と裏の両面に入れることにより、色の数値化による品質管理を徹底されています。
<実演ポイントまとめ>
1. 切り替え時間の早さと表裏品質の高さ
2. 高付加価値UV印刷
<実演の内容>
JOB① 4色/4色 (絵柄A:マットコート紙/ニスなし/車の冊子[16P]/200枚)
1. リムービング/刷り減らし
2. ブランケット自動洗浄(含浸布タイプ使用)
3. フルAPC版交換
4. プレインキング
5. 初刷り/見当調整/色合わせ
(スマートシーケンス)
JOB② 4色/4色+ニス (絵柄B:オーロラコート紙/BIKE GUIDE 11月表紙/200枚)
※各回、絵柄A(JOB①)、B(JOB②)の順番を交互に計4回印刷いたしました。
(1回目:B⇒A/2回目:A⇒B/3回目:B⇒A/4回目:A⇒B)


実演の中では、実際に機械をお使いいただいているお客様のご意見をいただくため、印刷課の山田課長様とのQ&A方式もとらせていただきました。
Q1: 従来使用されている油性両面機と、今回初めてご導入いただいたUV両面機を比較した感想をお聞かせ下さい。
A1:
<マイナス面>
・資材が全体的に高い。特にインキが高い。
<プラス面>
・ 乾燥時間が短い。今回の実演で使用しているマット紙の場合、油性印刷だと乾燥に約8時間かかるが、UV印刷の場合は待ち時間はほぼゼロのため、納期が約半日〜1日縮まる。
・UV印刷はパウダーを使用していないので機械が汚れにくく、工場環境に良い。パウダーによる粉落ち、ざらつきが無い。ブランケットのパウダー残りが発生しない。
<全般的な感想>
・マイナス面に比べてプラス面が多い。
Q2: 付加価値印刷の取り組みについてお答え下さい。
A2; 擬似エンボス。多くはないが増えつつある。
ニスの塗布方法によっても、いろいろな表現が可能。

また、壁面に展示したUV印刷サンプルを用いて、ニスの使い方による見え方の違いや擬似エンボス等の高付加価値印刷についてご説明いたしました。


実演後は、実機を見学いただきました。


Q&Aコーナーでは、弊社名古屋支店 営業課長の山本の司会進行により、内覧会にご参加された皆様より事前にいただいた質問について、(株)アサヒグラフィックス 代表取締役会長 鈴木正博様にお答えいただきました。

Q1: 小森のLS-840Pを導入されて率直なご感想はいかがでしょうか?
A1: 想定内におさまっていますが、その中で悪い面と良い面についてお話しさせていただきます。まず、悪い面として、1つ目はブランケットの消耗率です。油性の場合、3ヶ月は持ちますが、UVの場合、1ヶ月に1回交換が必要です。2つ目はインキの保存期間が短いということです。特に金のインキをはじめとする保存期間が非常に短いインキについては、お客様からの注文が入ってからメーカーさんに発注するようにしています。また、保存する場合は冷蔵庫に入れています。その他としては、インキ代が油性に比べ高いという点です。大量に使うので、メーカーさんにインキ代を下げてもらうための価格交渉をしてみても、なかなか思うような交渉結果が得られません。現在当社ではインキ代を抑えるために、黄・赤・藍はハ イブリットUVインキ、墨のみ乾燥の問題からUVインキを使用しております。ただし、仕事によっては全てUVインキを使用する場合もあります。次に良い面として、1つ目は印刷品質が想定以上に良いことです。2つ目は確実に後加工が工程表どおりに進められることです。このことは、人件費削減や物流経費等のコスト削減に繋がります。
Q2: 先刷り面と後刷り面のインキの発色の違いは?
A2: UV機はジャケットレスにするために、ドライングユニットで先刷り面を完全乾燥させてから反転して後刷り面を印刷するため、従来の両面印刷機に比べ、印刷品質が安定しており、基本的に素抜けは発生しません。
Q3: 他の印刷機とのカラーマッチングはどうされていますか?
A3: 当初、UVということと専門的な知識がなかったので心配しておりましたが、インキメーカーさんが積極的に関与して下さいました。また、カラーマッチングについては全般的に指導して下さるので、網点の再現については油性と全く変わりません。インキメーカーさんの指示を忠実に守っていれば問題ございません。当社の場合、油性とUVとでインキの色相が少し違うので、基本的に1つの製品で油性とUVを一緒にするということはいたしません。ただし、表紙をコーティングする場合に限っては、裏面の絵柄を見て、問題なければUVで印刷することもございます。
Q4: ニスコート(擬似エンボスコート)の表紙の背割れ対策はどうされていますか?特に110〜135Kgの用紙の場合なのですが。
A4: 導入する前から背割れが起きると聞いておりましたが、その中で我々も、実際のところあまりテストをしなかったことで、一度背割れを出して刷り直ししたことがございます。それ以降、背割れ対策について話し合ったり情報を集めたりした結果、良い対策方法が見つかり、現在背割れを起こしておりません。その方法を本来この場でお話するのが良いかと思いますが、こちらは当社のノウハウなのでご勘弁いただきたいと思います。お仕事としていただければ、勿論ご覧いただけます。(笑)
Q5: 片面ニスの印刷後のカールや波うちはどのように対策されていますか?
A5: ニスを塗るとカールが起こりやすいことを覚悟しておりましたが、実際のところ、今まで機械で刷ったものにニスを乗せてカールが発生して困ったことがございません。
5色、6色にニスを付けて、絵柄が重くなることでカールする場合は、反転してカールを直して紙を刷るということも中にはございますが、そのカールの度合いは非常に少ないです。これは機械の特性かもしれません。
Q6: 資材選定の際、特に苦労または気を使った製品はありますか?
A6: 当社は今年の1月に初めてUV機を導入し、殆ど無知の状態で仕事を始めて7ヶ月経つ中、インキメーカーさんのご協力でいろいろな知識をいただくことにより、特に苦労はしておりません。また、他の資材関係の皆さんもよくご存知なので、いろいろな情報を仕入れることが出来るため、大きなミスもございません。機械メーカーさん、ソフトメーカーさん、周辺機器メーカーさんの協力があれば導入に問題はございません。
Q7: マシンメンテナンスをどのように管理していますか?
A7: 小森の予防保全(KPM)に忠実に沿って、メンテナンスの指示書通り行っております。
実機見学およびQ&Aの最後に、Aグループは弊社名古屋支店長の飯塚より、Bグループは名古屋支店部長の工藤より、お礼と閉会挨拶をさせていただき、内覧会が無事に終了いたしました。


この度の内覧会開催に当りましては、(株)アサヒグラフィックス様には、深いご理解とご協力を賜り誠にありがとうございました。

ご参加いただきました皆様には、両面UV乾燥装置、コーティング装置を搭載した弊社リスロンS40Pを実際にご覧いただくことにより、その特色や優れた性能などをご実感いただける良い機会になったかと存じます。また、少しでも皆様の設備計画のご参考になればと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。
名古屋市中区金山町の(財)名古屋都市センター14階の特別会議室において、午前の部は9時40分より、午後の部は1時30分よりセミナーを行いました。
セミナーの司会進行役は、弊社名古屋支店 営業課長の三浦がつとめました。
最初に弊社国内営業本部長の小森より、開会挨拶ならびに市場動向説明をさせていただき、続いて(株)アサヒグラフィックス様のリスロンS40P導入後の展開について簡単な説明をさせていただきました。以下に概要を記載させていただきます。
『(株)アサヒグラフィックス様は、昨年の12月に菊全判反転機構付8色オフセット枚葉印刷機に両面UV乾燥装置、コーティング装置を搭載した「リスロンS40P」をご導入され、両面4色+コーティングや多色ストレート印刷+擬似エンボスなどの高付加価値印刷をワンパスで行い、高品質・短納期・高付加価値を武器に数多くのお仕事を受注され、結果を出されております。また、今回UV印刷機を初めて導入されたことで、パウダーレス化、品質管理体制の強化も図られ、トータルな効果を発揮されております。本日はセミナー終了後、場所を移動し、菊全8色機の実演の様子をご覧いただきます。いずれにしても真価の問われている今年ではないかと思います。今回の世界同時不況による危機的な状況は、景気の循環によるものではなく、大きな時代の転換点であるかと思います。今こそが、次への飛躍に備え、原点に立ち返って革新・改善を進めて行くべき時期であり、短期的に勝負することと、長期的に勝負することを両輪として同時に取り組んで行くことが、最も重要であると思います。』
続いて、(株)アサヒグラフィックス 取締役社長 田代徹也様より、会社概要をはじめ、この度リスロンS40Pをご導入されるに至った経緯などにつきましてご講演いいただきました。また、ご参加された皆様より事前にいただきました質問の中の6項目についても、お答えをいただきました。

<工場拠点>
全部で3工場あり、それぞれの役割に合わせた工場配置となっております。
・本社工場:愛知県名古屋市守山区大字下志段味字池田810番地
・瑞浪オフ輪第一工場:岐阜県瑞浪市釜戸町681-1
・瑞浪オフ輪第二工場:岐阜県瑞浪市山田町227-4
田代社長様よりご説明いただきました会社概要および設備概要につきましては、(株)アサヒグラフィックス様の下記ホームページアドレスよりご覧いただけます。
http://asahi-co.com/
<リスロンS40【LS-840Pコーター+UV装置】導入経緯>
『昨年12月に当機を導入し、今年の1月から本稼動をスタートさせていただいております。
油性印刷をずっと手掛けてきた中で、この度初めてUV印刷機を導入したということで、導入当初は非常に戸惑いもありましたが、7ヶ月ほど経過した中でいろいろな失敗もしながらも、技術的にも相当レベルも上がってきましたので、今回内覧会を開催させていただくことになりました。導入した経緯といたしましては、事業領域の拡大の一言に尽きます。油性インキを使わずスプレー粉も必要としない、パンフレットやカタログで思わず手で触りたくなるような高品質な印刷物の制作を手掛けたい、という思いの中で導入を決定いたしました。また、将来的にパッケージの分野まで拡販していきたいという強い思いもあり、導入に至りました。裏4色、表4色をワンパスで一度に印刷可能なそのスピード(15,000sph)が、従来の印刷機の中ではずば抜けて高性能な印刷機であり、UVならではの印刷物に限らず、非常に乾きの悪い合成紙のユポ紙やマット紙をこの機械で印刷しております。その理由は、岐阜の瑞浪工場でオフ輪転機を稼動させていただいておりますが、頁物になってきますと、表紙の刷り上りの時間などは、工程毎に細かな時間が組合わさって来るため、なるべく早く刷り上げる必要があり、加工までの待ち時間を短縮していかなくてはならない中で、UV機を活用させていただいております。また、紙厚への幅広い対応ということでは、0.06mmの薄紙から0.6mmという非常に厚い紙まで印刷できます。また、小森コーポレーションさんとの長いお付き合いの中で培った信頼の中で、この機械なら間違いないということで決定させていただきました。』
<ご参加された皆様よりいただいた質問の中の6項目についてのご回答>
Q1: 小森のLS-840Pを導入されて率直な感想はいかがでしょうか?
A1: すばらしい印刷機ということに尽きます。準備時間の早さ、稼動スピードの速さ、印刷品質の高 さについては、従来の印刷機に比べて非常に優れています。
Q2: 両面印刷機でありUV印刷機ということで納期面での対応は変化しましたか?
A2: 合成紙のユポやマット紙のような乾きの悪いものについては、どうしても半日おかなくてはなりま せんでしたが、この機械では待ち時間が殆どゼロで、そのまま加工へ移すことが出来るので、お客様に対して約半日〜1日納期を短縮させていただいております。
Q3: UV印刷機ということで、ニスコーティングや特殊原反などの付加価値対応の進捗具合はいかかでしょうか?
A3: 社内的にいろいろなトラブルを予測した中で、こうしたら上手く行くという自社独自の回避方法であるとか、社内技術に関しては非常に順調に進んでおります。問題は、仕事量確保です。UV機で加工させていただいておりますが、実際にUV機でなければ加工できないという仕事量は、全体の2割位です。その他は、油性でも印刷できる印刷物となっております。ただし、労働時間の短縮、検品作業がなくなったこと、またオペレーターのストレスも大幅に軽減されておりますので、全社最適化という観点から見れば、十分に採算が取れているのではないかと思っております。
Q4: 何でも出来る機械ですが、客先へは何を主に売りにしているのでしょうか?
A4: UV印刷ならではのハジキメジウムと光沢感のあるUVニスを使った擬似エンボスの視覚効果を売りにさせてもらっております。
Q5: UVインキで採算はとれるのでしょうか?
A5: 印刷資材やUVランプにかかる電気代等のランニングコストについては、はっきり言って採算は取れません。但し、製造側社員の労働時間の短縮や、それに伴う人件費の削減があるので採算が取れています。また、後加工までの待ち時間がゼロになったことによる無駄な工程時間の削減、印刷品質向上による検品時間の削減など、全社最適化という観点から見れば、採算は取れていると思います。
Q6: UV機で生産されている仕事の内容と稼働率をお聞かせください。
A6: 今年1月に本稼動が始まったばかりで、我々はまだ滑走している段階ですから、皆様にご報告できるレベルまでには達しておりません。仕事の内容は、殆ど油性で印刷できるものであるとお考えいただければと思います。
『以上、導入経緯ならびにQ&Aについてお話しさせていただきましたが、最後までお聞きいただき感謝しております。この後は是非、本社工場へ移動していただき、思う存分にUV機をご覧いただき、皆様方の今後の社業の発展につながることを期待させていただき、私のご挨拶にかえさせていただきたいと思います。』
田代社長様にご講演いただいた後、弊社営業技術の津島よりリスロンS40P製品説明ならびにUV印刷について説明を行いました。津島による説明内容は次の通りです。
<開発コンセプト>
・品質を片面機同等に近づける
・厚紙への適正を高める
・コスレが発生しづらい機構を保有
・準備時間を短縮するメカニズムを保有
(使う人の感動、クライアントの感動)
<UV専用反転機の優位性>
・パウダーレス
・デリバリーでの紙搬送の安定
・インキ盛り量の多い印刷物ができる
・コーティングによる付加価値の増大
・特殊紙への対応力アップ
・後刷り圧胴反転ジャケット不要
<まとめ>
・3本倍胴反転が印刷機の高速安定性を実現
・KHS-AI搭載による段取替えの素早い立ち上がり
・Full-APCで刷版交換精度アップと一発見当の達成
その後で休憩を挟み、チャーターバスにて(株)アサヒグラフィックス様の本社工場へ移動しました。
午前・午後の部ともに、本社工場に到着後、参加者はAとBの2班に分かれていただきました。Aグループは2階にて実機見学後、3階の別会場にてQ&Aにご参加いただきました。BグループはQ&Aにご参加いただいた後、実機を見学いただきました。
実機実演の機械操作は、(株)アサヒグラフィックス様の福元機長様、解説は弊社営業技術課長の中村により行われました。

今回ご覧いただく印刷機が反転機であり、他の印刷機とのレイアウトの都合上、操作側が壁側に駆動側が通路側に設置されておりました。そのため、直接実演をご覧いただくことが出来ず、実演もいつもと勝手が違い、ユニット構成および実演の状況を大型プラズマモニターでご説明させていただきました。その後で機械のステップに乗っていただき、機械を直接ご覧いただきました。
実演に使用した印刷サンプルは、(株)アサヒグラフィックス様が過去に実際のお仕事で印刷されたBIKE GUIDE 11月号の表紙と、弊社にて手配させていただいた車の冊子の両面4色絵柄を2種類使用しました。Full-APCによる切り替え時間の短縮、KHS-AIによる損紙削減と立上げ時間短縮、両面UV乾燥とインラインコーティングによる高品質印刷をご覧いただきました。(株)アサヒグラフィックス様では、カラーバーを表と裏の両面に入れることにより、色の数値化による品質管理を徹底されています。
<実演ポイントまとめ>
1. 切り替え時間の早さと表裏品質の高さ
2. 高付加価値UV印刷
<実演の内容>
JOB① 4色/4色 (絵柄A:マットコート紙/ニスなし/車の冊子[16P]/200枚)
1. リムービング/刷り減らし
2. ブランケット自動洗浄(含浸布タイプ使用)
3. フルAPC版交換
4. プレインキング
5. 初刷り/見当調整/色合わせ
(スマートシーケンス)
JOB② 4色/4色+ニス (絵柄B:オーロラコート紙/BIKE GUIDE 11月表紙/200枚)
※各回、絵柄A(JOB①)、B(JOB②)の順番を交互に計4回印刷いたしました。
(1回目:B⇒A/2回目:A⇒B/3回目:B⇒A/4回目:A⇒B)
実演の中では、実際に機械をお使いいただいているお客様のご意見をいただくため、印刷課の山田課長様とのQ&A方式もとらせていただきました。
Q1: 従来使用されている油性両面機と、今回初めてご導入いただいたUV両面機を比較した感想をお聞かせ下さい。
A1:
<マイナス面>
・資材が全体的に高い。特にインキが高い。
<プラス面>
・ 乾燥時間が短い。今回の実演で使用しているマット紙の場合、油性印刷だと乾燥に約8時間かかるが、UV印刷の場合は待ち時間はほぼゼロのため、納期が約半日〜1日縮まる。
・UV印刷はパウダーを使用していないので機械が汚れにくく、工場環境に良い。パウダーによる粉落ち、ざらつきが無い。ブランケットのパウダー残りが発生しない。
<全般的な感想>
・マイナス面に比べてプラス面が多い。
Q2: 付加価値印刷の取り組みについてお答え下さい。
A2; 擬似エンボス。多くはないが増えつつある。
ニスの塗布方法によっても、いろいろな表現が可能。

また、壁面に展示したUV印刷サンプルを用いて、ニスの使い方による見え方の違いや擬似エンボス等の高付加価値印刷についてご説明いたしました。
実演後は、実機を見学いただきました。
Q&Aコーナーでは、弊社名古屋支店 営業課長の山本の司会進行により、内覧会にご参加された皆様より事前にいただいた質問について、(株)アサヒグラフィックス 代表取締役会長 鈴木正博様にお答えいただきました。
Q1: 小森のLS-840Pを導入されて率直なご感想はいかがでしょうか?
A1: 想定内におさまっていますが、その中で悪い面と良い面についてお話しさせていただきます。まず、悪い面として、1つ目はブランケットの消耗率です。油性の場合、3ヶ月は持ちますが、UVの場合、1ヶ月に1回交換が必要です。2つ目はインキの保存期間が短いということです。特に金のインキをはじめとする保存期間が非常に短いインキについては、お客様からの注文が入ってからメーカーさんに発注するようにしています。また、保存する場合は冷蔵庫に入れています。その他としては、インキ代が油性に比べ高いという点です。大量に使うので、メーカーさんにインキ代を下げてもらうための価格交渉をしてみても、なかなか思うような交渉結果が得られません。現在当社ではインキ代を抑えるために、黄・赤・藍はハ イブリットUVインキ、墨のみ乾燥の問題からUVインキを使用しております。ただし、仕事によっては全てUVインキを使用する場合もあります。次に良い面として、1つ目は印刷品質が想定以上に良いことです。2つ目は確実に後加工が工程表どおりに進められることです。このことは、人件費削減や物流経費等のコスト削減に繋がります。
Q2: 先刷り面と後刷り面のインキの発色の違いは?
A2: UV機はジャケットレスにするために、ドライングユニットで先刷り面を完全乾燥させてから反転して後刷り面を印刷するため、従来の両面印刷機に比べ、印刷品質が安定しており、基本的に素抜けは発生しません。
Q3: 他の印刷機とのカラーマッチングはどうされていますか?
A3: 当初、UVということと専門的な知識がなかったので心配しておりましたが、インキメーカーさんが積極的に関与して下さいました。また、カラーマッチングについては全般的に指導して下さるので、網点の再現については油性と全く変わりません。インキメーカーさんの指示を忠実に守っていれば問題ございません。当社の場合、油性とUVとでインキの色相が少し違うので、基本的に1つの製品で油性とUVを一緒にするということはいたしません。ただし、表紙をコーティングする場合に限っては、裏面の絵柄を見て、問題なければUVで印刷することもございます。
Q4: ニスコート(擬似エンボスコート)の表紙の背割れ対策はどうされていますか?特に110〜135Kgの用紙の場合なのですが。
A4: 導入する前から背割れが起きると聞いておりましたが、その中で我々も、実際のところあまりテストをしなかったことで、一度背割れを出して刷り直ししたことがございます。それ以降、背割れ対策について話し合ったり情報を集めたりした結果、良い対策方法が見つかり、現在背割れを起こしておりません。その方法を本来この場でお話するのが良いかと思いますが、こちらは当社のノウハウなのでご勘弁いただきたいと思います。お仕事としていただければ、勿論ご覧いただけます。(笑)
Q5: 片面ニスの印刷後のカールや波うちはどのように対策されていますか?
A5: ニスを塗るとカールが起こりやすいことを覚悟しておりましたが、実際のところ、今まで機械で刷ったものにニスを乗せてカールが発生して困ったことがございません。
5色、6色にニスを付けて、絵柄が重くなることでカールする場合は、反転してカールを直して紙を刷るということも中にはございますが、そのカールの度合いは非常に少ないです。これは機械の特性かもしれません。
Q6: 資材選定の際、特に苦労または気を使った製品はありますか?
A6: 当社は今年の1月に初めてUV機を導入し、殆ど無知の状態で仕事を始めて7ヶ月経つ中、インキメーカーさんのご協力でいろいろな知識をいただくことにより、特に苦労はしておりません。また、他の資材関係の皆さんもよくご存知なので、いろいろな情報を仕入れることが出来るため、大きなミスもございません。機械メーカーさん、ソフトメーカーさん、周辺機器メーカーさんの協力があれば導入に問題はございません。
Q7: マシンメンテナンスをどのように管理していますか?
A7: 小森の予防保全(KPM)に忠実に沿って、メンテナンスの指示書通り行っております。
実機見学およびQ&Aの最後に、Aグループは弊社名古屋支店長の飯塚より、Bグループは名古屋支店部長の工藤より、お礼と閉会挨拶をさせていただき、内覧会が無事に終了いたしました。
この度の内覧会開催に当りましては、(株)アサヒグラフィックス様には、深いご理解とご協力を賜り誠にありがとうございました。
ご参加いただきました皆様には、両面UV乾燥装置、コーティング装置を搭載した弊社リスロンS40Pを実際にご覧いただくことにより、その特色や優れた性能などをご実感いただける良い機会になったかと存じます。また、少しでも皆様の設備計画のご参考になればと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。