
2010年2月26日(金)に弊社つくばプラント内の小森グラフィックテクノロジーセンター(以下、KGC)において、『菊半裁ハイブリッドUVシステム内覧会』を開催いたしました。今回の内覧会では、昨年のJGAS2009で発表いたしました最新の乾燥システム「ハイブリッドUVシステム」を「菊半裁4色オフセット枚葉印刷機 リスロンS26(LS-426)」に搭載し、商業印刷における速乾パウダーレス印刷の実現をテーマに行いました。同機に搭載したオゾンレスランプは1灯(120W)です。

当日は強風と午後からは雨で天候には恵まれませんでしたが、午前・午後の部を合わせ、東京都内や近隣県をはじめ遠方は富山県より約100名のお客様にご参加いただき、盛況の内覧会となりました。
内覧会は下記のプログラムにより行いました。
①技術説明(午前の部:カンファレンスルーム2/午後の部:デモンストレーションセンター)
②実演見学会(デモンストレーションセンター)
③KGC館内見学
内覧会の司会進行役は弊社営業課長の北林がつとめました。

最初に弊社国内営業本部長の小森より、開会のご挨拶をさせていただきました。
つくばプラント第三期拡張工事が昨年9月に完成し、従来からの中型枚葉機にオフセット輪転機等の生産機能を統合、新生つくばプラントとして800人体制で10月1日より稼働を開始したこと、同プラント内に11台の印刷機を保有し、印刷と印刷機械技術の構築と技能研修を目的としたKGCが10月10日に開設されたこと、そしてそのKGCの4つの機能についてご説明させていただきました。
<KGCの4つの機能>
1.お客様による小森システムの品質評価とお客様への販売デモンストレーション
[デモンストレーションセンター]
2.お客様への印刷技術の教育(ハード・ソフト)
[プリンティングカレッジ&DoNet]
3.全世界のサービスならびに生産技術者のトレーニング
[テクニカルトレーニングセンター]
4.印刷技術の基礎研究(産学ならびに印刷資材/周辺機器メーカーとの協同を含む) [印刷R&Dセンター]
また、昨年のJGAS2009での発表後に「ハイブリッドUVシステム」搭載機をご導入いただいた2社(東京1社、大阪1社)のご評価についてお話しいたしました。
続いて、弊社営業技術部課長の中村よりハイブリッドUVシステムに関する製品・技術説明を行いました。紫外線硬化方式の原理、ハイブリッドUVシステムのメカニズム・特徴・環境面、油性印刷との採算性比較、Hybrid UV機ラインナップ等について、映像を交えて詳しくご説明いたしました。
【Hybrid UV方式の主な特徴】
・イニシャルコストを抑えることが出来る(対LED-UV)
⇒LED-UV装置の半分以下に抑えることが出来る
・ランプのライフコストを抑えることが出来る(対LED-UV)
⇒寿命はLED-UVよりも短いが、一回あたりの交換費用が安いため
・消費電力がLED-UV同等で、電源がコンパクト
⇒Hybrid UV 14.8kw(ランプ10.2kw、水冷4.6kw、32”幅)、電源は0.59㎡
・発熱が極めて少ない
⇒印刷紙面付近で、室温±4~5℃
・オゾンが発生しない
⇒オゾンを発生させる254nm付近の波長をカットしている
・厚紙印刷が可能(UV印刷で実績あり)
⇒ランプと紙面の距離を確保できる
説明の中では、実際に同システムを搭載した枚葉オフセット印刷機をご導入いただいた2社のインタビューを上映いたしました。1社目は、2009年10月にリスロンS32(LS-432) をご導入いただいた株式会社アトミ様(東京・小平市)、2社目は、2009年10月にリスロンS29P(LS-829P)をご導入いただいた株式会社研文社様(大阪市北区)をご介いたしました。インタビューでは各社の導入に至った経緯と導入後のご評価や課題等についてお話しいただきました。実際にご導入されたお客様のご評価ということもあり、ご来場いただいた皆様が大変興味深くご覧になっていました。

説明の最後に「ハイブリッドUVシステムは、印刷機だけでは成り立ちません。ランプ、インキが揃って初めて成り立つシステムです。今までは、各メーカーがそれぞれ単体で動いて来ましたが、これからはKGCが核となって、インキメーカーさん、ランプメーカーさんとの協力体制によりさまざまな課題を解決して行き、最終的にお客様の利益に結びつくよう努めてまいります。」と述べました。
次に、インキメーカーを代表して、東洋インキ製造株式会社 AI事業部 販売部の茂木伸之様より、「省エネルギーUV INKの現状と今後」をテーマに、ハイブリッドUV対応インキの開発状況と今後の展開を主として、市場環境・社会環境、UV INK数量の推移と予測、UV化に伴う主な課題、各照射装置による発光スペクトルの違いと特徴、省エネルギーUV INKの製品ラインナップ、今後の課題等について、映像を使いながらわかりやすくご説明いただきました。

約10分の休憩を挟んだ後、実演ならびに印刷サンプル紹介に移りました。進行役はKGCの中島、技術的な説明はKGC副センター長の神、デモの実況中継は中村が行いました。印刷機のオペレーションはKGCの海老原が担当しました。
実演では、「商業印刷における速乾パウダーレス印刷の実現」をメインテーマに次の5つのポイントによる効果をご覧いただきました。
①きれいな印刷の仕上り(品質)
②短納期対応
③厚紙・特殊原反印刷を可能にする仕事の幅の広がり
④パウダーレスによるオペレーターの負荷軽減
⑤作業効率改善による生産性の向上

実演では2回のJOBを行いました。各JOBのOKシートが刷り上った段階でお客様に印刷サンプルをお配りし、実際にインキの乾燥度合いや印刷品質をご確認いただきました。
【実演の内容】
■JOB1【4色】
①用紙:ヴァンヌーボー
②見当・色合わせした状態からスタート
③OKシート200枚
↓↓↓版換え無し
④JOB1をドン天
⑤表裏見当確認
⑥OKシート200枚
<印刷イメージ>

■JOB2 【4色】
①用紙:OKトップコート
②切り替え
1)リムービング、2)版交換、3)ブランケット自動洗浄、4)プレインキング、5)色合わせ
③OKシート200枚
<印刷イメージ>

各JOBを行っている間に、会場に展示した印刷サンプルを使い、油性印刷、従来のUV印刷、ハイブリッド印刷についての比較説明をいたしました。
実演後は、お客様に実機や展示印刷サンプルをご見学いただきました。
KGC館内見学に入る前に、KGCセンター長の杉山よりご挨拶させていただきました。ハイブリッドUVシステムの開発に至った経緯および成果について、技術面のお話をいたしました。また、KGCのメンバー紹介もさせていただきました
続いて、KGC館内の見学に移りました。午前の部は、KGC専任部長の林が館内をご案内いたしました。午後の部は、2班に分かれていただき、1グループ目は林、2グループ目はKGC R&D課長の印出のガイドにより館内をご覧いただきました。

Demonstration Center

Printing R&D Center

Electrical Training Room

DoNet Area

Printing College

Technical Training Center
最後に、弊社つくばプラント副プラント長の斎藤により、ご参加へのお礼と閉会のご挨拶にて内覧会は無事に終了いたしました。

ご来場いただきました皆様には、実際にハイブリッドUVシステムを搭載したリスロンS26の実演をご覧いただいたことにより、その特性や優れた性能などをご実感いただける良い機会になったかと存じます。今回の内覧会が、少しでも皆様の次期設備計画のご参考になればと思っております。