曇りながらも穏やかな天候に恵まれた2012年3月8日(木)、スキット㈱様(福井県福井市高木中央1丁目328)において、北陸エリアでは初となるH-UV内覧会が開催されました。内覧会では、本年1月にご導入いただいたH-UV搭載のリスロンS29(菊半裁寸延4色オフセット枚葉印刷機/LS-429)による実演をご覧いただきました。
*今回の内覧会はH-UVにご興味・ご検討いただいているお客様を対象にご案内させていただきました。
スキット㈱様は、1973年(昭和48年)に製版会社として創業以来、お客様の様々な要求に応えていかれる中で、現在では、企画・デザイン制作から印刷・製本・DM加工まで一貫した機能を持つ総合印刷会社へと変革を遂げられ、その高い提案力でお客様のビジネスパートナーとして躍進されています。
内覧会は午前と午後の2回行われ、福井県をはじめ近隣府県より総勢33名のお客様にご参加いただき、内容の濃い充実した内覧会となりました。
ご来場いただいたお客様には2階のセミナー会場にお集まりいただき、内覧会開催となりました。
司会進行役は、弊社北陸営業所・新任所長の木暮がつとめました。
開催に先立ち、弊社国内営業本部長の小森より開会のご挨拶をさせていただきました。
『このたび、スキット㈱様のご好意により、本年1月5日に納入させていただきました、H-UV搭載の菊半裁寸延4色オフセット枚葉機の内覧会を開催させていただく運びとなりました。本稼動に入って約2ヶ月強という短い期間ながら、大変高いご評価をいただいております。今回ご導入いただいたH-UV機は北陸地区においては第1号機となります。これにより、国内全地域にH-UV機が導入されたことになりました。H-UV機は2009年10月から販売を開始して以来、おかげさまで、国内においては120台近い販売実績となっております。そのうちの90台がお客様に納入され、順調に稼動しております。その中でも、2台以上のH-UV機をお使いいただいているお客様が22社近くいらっしゃいます。また別件ですが、本年5月3日から16日まで、ドイツのデュッセルドルフにおいてdrupa2012が開催されます。弊社はこの展示会に出展し、新たに開発した印刷機や新装置をはじめ、ソリューションの数々をご紹介してまいります。ツアーも企画しておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。本日は短い時間ではございますが、H-UV機の価値をじっくりとご覧いただければと存じます。』
続いて、スキット㈱ 代表取締役 田村美津雄様より、会社概要をはじめ、このたびH-UV搭載のリスロンS29を導入されるに至った経緯やその効果等について映像を交えながら詳しくお話していただきました。
『本日はお忙しい中、ようこそスキット㈱にお越しいただきましてありがとうございます。簡単ではございますが、当社の概要と力を入れている商品、そして最後にH-UV導入に至った経緯と効果について説明させていただきます。』
<会社沿革>
◆1973年
阪田製版センターを設立。創業当時から20年間はアナログ製版が真っ盛りの時代でした。
◆1991年
社名をスキットに変更。きっかけはCIブームの流れでした。現会長の名前SaKaTaの頭文字をとって、最初は“SKT”でいこうと検討しましたが、なかなかしっくり来ないということでKとTの間にハートのiを設けて、“SKiT”という会社名に変更しました。
◆1996年
当時は2色校正機を持っておりましたが、小森L-426の導入をきっかけに本機校正を請け負うようになり事業を変革していきました。
◆2000年
CTPの導入と製本機として折・綴じ・ミシン機を導入しました。
◆2010年
印刷後の後加工ということで、シリンダータイプの打ち抜き機や、光沢加工としてフィルム貼りの機械や圧着加工機を導入してまいりました。
製版から後加工への新規のお客様がどんどん増えていく中、お客様の要望に合わせて素直に事業を変化させていきました。
<会社概要>
◆商号:スキット株式会社
◆所在地:本社工場(福井)、営業拠点(福井、東京、大阪)
◆社員数:28名
◆事業内容:商業印刷の企画、印刷、製本、加工、発送代行、出版
◆会社のコンセプト:魅せる職場をイメージ
(当社にお越しになったお客様には、社員が働いている様子を見ていただきたい。社員には、お客様に常に見られているという意識を持ってもらいたい。)
<主な商品>
◆ポケットフォルダー
ここ4、5年前から問い合わせが急増しております。クライアントへの提案ツールとして、中面に社内で出力した見積書や企画仕様書等を差し込んで使われております。紙製なので非常にリサイクルもしやすく、一度受注するとサプライ品感覚での増刷注文を見込んでおります。昨年度は累計制作枚数が100万枚を達成しました。
◆圧着加工付DM
ハガキや封書、定形外のものに加工を施し、フィルム圧着して仕上げます。印刷加工、印字、発送までの一貫したパッケージ商品としてスピードとコストを売りに提案を行っております。
◆ノベルティー商品
お客様の用途に応じた様々なノベルティーの企画・制作を行っております。例えば、下敷きは印刷後、両面に硬質ペット加工を入れております。幼稚園、小学校、周年記念や社会科見学などにご利用いただいております。
<H-UV機導入に至った経緯と効果>
『H-UV機では、生産性向上による利益確保とコスト削減が見込まれます。従来使用していた油性のストレート印刷機は、導入して15年以上経過しておりました。故障も少なく、頑丈でしたがOKシートを出すのに多少の時間と経験を要しました。具体的には、従来機では、準備時間に10分、色合わせに10分かかっていたところ、H-UV機では、準備時間に5分、色合わせに5分という結果が出ております。また、従来機では、1日1000枚通しの仕事をおよそ20台前後こなしていましたが、H-UV機では、30台前後こなすことが可能です。当社の印刷料金設定において従来機とH-UV機を比較するために、年間稼働時間、稼働率、減価償却、光熱費、材料費、人件費を計算したところ、1000枚通しの仕事で約35%のコスト削減が認められるという結果が出ました。但し、通し枚数が増えるほど競争力が下がるので、当社としては、3000枚前後を目安に油性印刷とH-UV印刷を使い分けしています。
当社は社員数の4割が女性ということもあり、女性が印刷機をオペレートし、活躍できる場を提供しなければならないと思っています。実際に印刷機3台を3名のスタッフが担当していますが、そのうちの2名が女性です。20代で印刷経験が3年から5年の女性がオペレートしております。その中で、小森さんの印刷機はよりオペレータの負担が少なくて、高品質な製品が安定してつくれると理解しております。「女性だと紙積みは大変ではないですか?」といった質問をよく頂戴します。確かに紙は重いですが、男性の紙積み量の3分の2程度を目安に紙積みをちょこちょこと行えば問題ないかと思います。また、大ロットの仕事も多くはないので、現時点ではそれほど問題視する必要はないと考えております。当社が数多くの女性を活躍させる理由は、最近は女性の方がガッツもあり、チャレンジ精神も旺盛で、何よりも色彩感覚に優れています。更に機械まわりを非常にきれいに使うことができるので、製品の仕上がりに対しても細かい配慮が行き届くことで、良いものができると理解しております。
最後にH-UV機導入での今後についてですが、商品開発とスピード感をよりアピールしてまいります。先ほど自社商品としてご紹介したポケットフォルダーのような商品を今以上に主力商品として育て上げ、展開することを検討しております。“ポケットフォルダー制作日本一”を目指すために、より製品化へのスピードをアップすることで、他社との差別化を図ってまいります。具体的に申しますと、データ入稿、翌日発送を将来的に標準化することを目標に、今後拡販を行ってまいりたいと思います。』

スキット㈱様の会社概要、事業内容等の詳細につきましては、下記ホームページアドレスよりご覧いただけます。
http://www.skit.co.jp
田村社長様にお話いただいた後、弊社営業技術課の平田より、リスロンS29およびH-UVシステムに関する製品・技術説明を行いました。
オフセットオンデマンドの概念・構成技術、H-UVシステムの原理・メカニズム、H-UV印刷による仕事内容、油性印刷/従来のUV印刷との比較によるH-UV印刷の優位性や環境面、油性印刷とH-UV印刷との採算性の比較等について映像を使いながらご説明し、最後にリスロンS29による実演の流れや見どころについてお話させていただきました。
説明の中では、H-UV機をご導入いただいた企業7社によるインタビュー映像も上映しました。インタビューでは、各社の導入に至った経緯および導入後の稼動状況やその効果について述べていただきました。実際に導入された企業の率直なご意見・ご評価ということもあり、ご参加いただいた皆様が大変熱心にご覧になっていらっしゃいました。
続いて、インキメーカーを代表して、東洋インキ㈱様のECS事業統括部 UVインキ販売部 関口毅様より、「H-UV用高感度UVインキについて」をテーマに、H-UV用高感度インキの開発コンセプトや特徴、カラーラインナップ等について映像を交えながら分かりやすくご説明いただきました。説明の中では、同絵柄を使って油性インキと高感度UVインキで印刷した冊子型の印刷サンプルにより、油性との光沢の比較や印刷品質についてご確認いただきました。また、高感度UVインキで金・銀・パール等の特色を使用した印刷サンプルや、特殊原反として高感度UVカレイドインキを使用したクリアファイルもご紹介いただきました。
約10分間の休憩を挟んで1階の工場に移動いただき、H-UV搭載のリスロンS29(LS-429)による実演に入りました。
実演のナレーションは、本年2月15日まで弊社北陸営業所の所長を5年間務めておりました、営業課長の小久保が担当いたしました。最初に実機を使って、H-UVの特徴やメカニズム、使用する高感度UVインキについて簡単な技術説明を行った後、実演がスタートしました。
印刷機のオペレーションは、スキット㈱ 印刷部 阪田英里子様にご担当いただきました。
<実演の流れ>
実演では2つのJOBを行いました。使用したオゾンレスランプは1灯(120W/cm)です。
両JOBともに本刷り完了後、後加工を施し、最終製品まで仕上げました。
JOB1では農園のパンフレットをイメージした絵柄でヴァンヌーボ(0.14mm)を使用し、事前に見当・色合わせをした状態から表面4色印刷の試刷りを行い、見当確認後、本刷りで200枚印刷しました。
その後、表面が刷り上ったばかりの印刷サンプルをデリバリー側からフィーダー側に運び、版交換なしで、即4色ドン天印刷(裏面印刷)を行い、見当確認後、本刷りで200枚印刷しました。本刷りが完了した印刷サンプルは、断裁から四つ折の後工程に進みました。
続いてJOB切り替え(リムービング⇒ブランケット自動洗浄⇒Full APC版交換⇒プレインキング⇒用紙交換)を行い、JOB2に移りました。
JOB2では、スキット㈱様が得意とされているポケットフォルダーの絵柄で、厚紙(0.25mm)を使用し、表面4色印刷を行いました。試刷り・見当/色調調整後、本刷りで200枚印刷しました。本刷りが完了した印刷サンプルは、PP貼りから抜き、糊付けの後工程に進みました。
各JOBの本刷り完了後には、印刷サンプルをご参加いただいた皆様に配布し、速乾性・印刷品質・臭い等についてご確認いただきました。
JOB1からJOB2への切り替え作業の時間を使って、スキット㈱様の各関連部署のお二方それぞれに、弊社の小久保よりいくつか質問させていただき、率直なご意見・ご感想を伺いました。
最初に現場責任者である印刷部 課長 阪田浩様よりお話いただきました。
Q1: H-UV機を導入されて約3ヶ月経ちますが、率直なご意見をお聞かせ下さい。
A1: 印刷後のドライダウンがないので、上質紙等はメリハリのある印刷物に仕上がっています。また、パウダーレスなので、印刷後に即後加工に取り掛かることができ、作業効率もだいぶ上がっていると実感しています。
Q2: H-UV機が導入されると決まったとき、現場ではどのような反応がありましたか?
A2: 油性印刷と比較しての光沢面ではかなり検討しましたが、遜色ないレベルに達しています。また、オゾンレスということで、UV特有の臭気もほとんどなく、作業もしやすいと思います。
Q3: 後工程の現場の皆様からはどのような感想が出ておりますか?
A3: 特にマット紙等は、断裁や折り加工を行う際、汚れやキズが入りやすかったですが、そういった問題はだいぶ改善されています。
Q4: 本日は紙を使っての実演を行っておりますが、その他にはどのような原反を使っていらっしゃいますか?
A4: まだ2、3ヶ月しか経っていませんが、アルミ蒸着紙や選挙ポスター等に使われるユポやユポタックなど問題なく印刷しております。
Q5: 短納期の仕事の受注状況はいかがでしょうか?
A5: 短納期がかなり求められている中で、例えば、これから実演で印刷するポケットフォルダーですと、午前中に入稿、午後に印刷から後加工を行い、即日発送もしくは翌日発送にて対応しております。
続いて、営業部 部長 高橋将展様よりお話を伺いました。
Q: 営業の立場からH-UV機に期待するところは何ですか?
A: 高品質できれいな印刷物をお客様に提供できること。そして、特殊紙の印刷が可能になったことにより、営業の幅が広がると考えております。またアウトプットも速く、短納期に問題なく対応できるので、小ロットの冊子等に十分威力を発揮できるのではないかと期待しております。
実演の最後には、H-UV機のオペレートを担当されている阪田 英里子様にお話いただきました。
Q: 実際にH-UV機を使われて、油性の機械と比べて大きく変わったことは何でしょうか?
A: 印刷物が完全に乾いた状態で出てくるので、裏付きの心配もなく、そのまま直ぐに裏面印刷に移れるので仕事の効率が向上し、嬉しいことばかりです。
H-UV機による実演終了後は、ご参加いただいた皆様に実機をご見学いただきました。
実機見学の後は、3階に移動していただき、後加工をご紹介いたしました。
JOB1で印刷したパンフレットの絵柄サンプルは、断裁後、ホリゾンの折り機による四つ折加工の作業工程をご覧いただきました。
JOB2で印刷したポケットフォルダーの絵柄サンプルは、アコブランズ・ジャパンのラミネーターによるPP加工の作業工程をご覧いただきました。
その後、2階のセミナー会場に設置した展示コーナーに移動いただき、H-UV印刷による様々な原反や仕様による印刷サンプルをご紹介しました。
その他には、弊社推奨の印刷資材を提供する新ブランドK-Supplyの商品やパネルをはじめ、“機械性能の安定化にはローラーメンテナンスが重要”ということで、インキローラーや給水ローラーのニップ幅を数値管理できるデジタル測定器「デジニップ」の展示も行いました。
最後に北陸営業所所長の木暮より、お礼と閉会挨拶をさせていただき、内覧会が無事終了いたしました。
このたびの内覧会開催に当たりましては、スキット㈱様には深いご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
ご来場いただきました皆様には、実際にH-UVを搭載したリスロンS29の実演をご覧いただいたことにより、その優れた性能・効果についてご理解・ご実感いただけたことと存じます。
今回の内覧会が、少しでも皆様の次期計画のご参考になればと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。